高齢の親の電動自転車をジモティで代理出品してわかったこと

「実家の片付けを始めたいけれど、まだ使えるものを捨てるのはもったいない……」

そう疑問に思ったことはありませんか? 物を大切にしてきた親世代の家には、古くてもまだ十分に動くものや、高価だったものがたくさん眠っています。

我が家の場合、その一つが「親の電動アシスト自転車」でした。

乗らなくなって何年も経つけれど、処分するには惜しい。そこで思いついたのが、地域の手渡しフリマアプリ『ジモティ』を使った代理出品でした。

最初は「タダで手放せて、誰かに喜んでもらえるなら最高の方法だ」と思っていたのですが……実際にやってみると、「実家の片付けを自力でやる過酷さ」という、予想もしなかった現実に直面することになったのです。

1. なぜメルカリではなく「ジモティ」を選んだのか?

まだ乗れる電動自転車を手放すにあたって、最初は一般的なフリマアプリも検討しました。しかし、大きなハードルとなったのが「送料」です。

自転車のような大型のものを郵送しようとすると、送料だけで数万円かかってしまうことも珍しくありません。これでは手元に何も残らないため、自宅の近くまで引き取りに来てもらえるジモティを使うことにしました。

出品の手続き自体は簡単でした。写真を撮り、現状を細かくチェックし、親の代理であることや防犯登録の抹消手続きが必要なことを明記して掲載します。

狙い通り、メッセージはすぐにたくさん届き、引き取り手も無事に見つかりました。

2. 引き渡し自体は温かい時間だった、けれど…

引き渡し当日、実家の近くまで来てくださった方はとても誠実そうで、「良いものを譲っていただけて本当に助かります!」と何度も頭を下げてくださいました。

実家でずっと場所を取っていたものが、誰かの役に立った。その瞬間は、確かに心がじんわりと温かくなりましたし、親も自分の持ち物が無駄にならなかったことに安心していました。

しかし、本当の問題は「その裏側」にありました。 すべてが終わったあと、どっと押し寄せる疲労感の中で、私は冷静に計算してしまったのです。

「この1台を譲るために、私はどれだけの時間とエネルギーを削っただろう?」と。

3. 自分でやってみて痛感した、ジモティ出品の「見えないコスト」

「タダで処分できた」「少しだけどお金になった」というのは、表面上の話に過ぎません。実際には、以下のような多大な労力と精神的疲労が重くのしかかっていました。

  • 【大誤算】地獄だった防犯登録の「抹消手続き」 自転車を他人に譲る(所有権を移転する)には、防犯登録の抹消手続きが絶対に必要です。しかもこれ、「登録した本人が、購入した販売店(自転車屋)に現物を持って行かなければならない」という非常に高いハードルがありました。 すでに高齢の親は、乗れなくなった自転車を漕いで店まで行くことなんてできません。結局、私が車を出して「親を乗せる人」と「自転車の現物を積んで運ぶ人」になり、力技で巻き込んでお店まで大移動する羽目に……。引き渡す前の段階で、すでに白目を剥きそうになるほど大変でした。
  • 終わりのないメッセージ対応 出品した瞬間から、何十人もの見知らぬ人から一斉に連絡が来ます。質問(主に値引き交渉でした)の回答、文章のやり取り、日程の調整……仕事や家事の合間にスマホに張り付き、対応を続けるだけでヘトヘトになりました。
  • 実家へ何度も通う「時間」と「交通費」 現状確認のための帰省、引き渡し当日の立ち会いのための帰省。自分の休みはすべて潰れ、ガソリン代もかかります。
  • 「見知らぬ人と直接会う」という精神的プレッシャー 本当に良い人が来てくれるだろうか、ドタキャンされたらどうしよう、後からクレームが入ったら……という不安が、取引が終わるまでずっと心のどこかにこびりついていました。

気がつけば、自転車1台を手放すために、自分の貴重な週末の時間が何日分も消えていたのです。

4. 頑張りすぎる子世代が知っておくべき現実

実家の片付けを始めるとき、私たち子世代はつい「自分が頑張って動けば、安く済むし、親も喜ぶはず」と考えてしまいがちです。

でも、家の中には自転車だけでなく、何百、何千という大量のものが遺されています。 それらを全て、今回のように自分で手続きを調べ、車で運び、メッセージを返し、1つずつ手渡ししていくなんて、現実的に不可能です。

途中で仕事に支障が出たり、自分の家庭の時間がなくなったり、心や体がポキッと折れてしまうのは時間の問題だと痛感しました。

「自分でやれば無料」というのは、裏を返せば「自分の時間と健康をタダ働きさせている」ということでもあるのです。

💡 あらいよりアドバイス 1台の自転車ですら、法律上の手続きや運搬でこれだけのエネルギーを消耗します。これが家丸ごとの片付けになったら、子世代が1人で抱え込むのは絶対に無理があります。

だからこそ、最初からプロの力を借りる選択肢を持っておくことが大切です。最近では、面倒な手続きや搬出も含めて、家までまとめて見に来てくれて、価値があるものはその場で買い取ってくれる出張査定サービスなどもあります。

次回の記事では、この経験からさらに見えてきた、高齢の親の代わりに動くときに**「家族間で揉めないために事前に決めておくべき大切な線引き」**についてお話ししますね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました